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  四季の行事
正月をひもとく
 
正月の行事―
 

大晦日

仕事始め
初 詣 七 草
若 水 人日の節供
年 始 鏡開き
初 夢 小正月

正月の室礼(鏡餅・運盛りなどの実例)はこちら→室礼歳時記
大晦日

十二月の晦日のことで、一年の最後にあたるため大晦日と呼ばれています。年越し、 年取り、大年、大つごもり、おもっせいとも呼ばれています。年越しのための様々な行事が各地で行われます。

大晦日の食事
地域によって様々な伝承があり、この日の夜の食事が特別なものとされていたことが伺えます。魚を用いた食事が多い様です。そばやうどんを食べる習慣は各地で見られ、 年越しそばとか晦(つごもり)そばと呼ばれてます。そばには長いものを食べると長命になるという縁起担ぎの意もこめられています。

除 夜
除歳、除夕ともよばれます。旧年を除く意味で、大晦日の夜のことをいいます。年神を迎えるため、夜を徹する風もあります。寺では、百八つの除夜の鐘が撞かれます。百八つは人間の煩悩の数だとされ、除夜の鐘はこの煩悩を消し去るのだそうです。しんと静まり返った夜半に響く鐘の音は、来る年への新たな決意とともに、身のひきしまる思いがします。

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初 詣

除夜の鐘が鳴り終わってから元日に土地の氏神や神社仏閣に参詣することをいいますが、元日に限らず松の内に年が明けてからはじめて参詣することをいう場合もあります。

古くは一日の終わりが日没と考えられていたので、一年の終わりは大晦日の日没とされていました。大晦日の夜に社殿で徹夜をすることが各地でみられ、これを年篭りといいました。今日では一日の区切りは夜中の零時になり、そのため大晦日の夜に詣でる除夜詣でと、年が改まって元日に詣でる初詣とが区別されるようになりました。

除夜に参詣してのち一度家に帰り、元旦になって再び参詣したり、大晦日の夜から元日になるまで神社にいることを二年参りと呼ぶところもあるそうです。

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若 水

元日の早朝にその年初めて汲む水のことで、初水、福水とも呼ばれています。年神に供え、正月の食事の支度や、洗顔にも用います。

若水を汲むことを若水迎え、若水汲みといい、水道が普及するまでは各地で正月の儀礼の一つとして行われていました。 若水を汲むのは年男の役目とする所が多く、水を汲む場所は掘り井戸ですが、井戸が掘られる前は川や泉でした。 土地によっては水道が普及した後でも、川や泉で汲むという旧慣を守っているところもあるそうです。

若水でいれたお茶のことを福茶、大福茶といい、ほうじ茶や番茶に昆布、ちょろぎ(または小梅)を入れて頂きます。福茶は各地に見られる風です。

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年 始

年賀・年礼ともいい、親戚や知人宅などへ新年の挨拶にまわるならわしのことをいいます。
もともとは、分家が本家に集まり、大晦日から元日にかけて夜を徹して行われた儀式で一族の結束を確認しあう意味があったとされています。のちに年始の先は血縁だけではなくなって行き、新年に知人やお世話になっている人の家へ年頭の挨拶に出向く形をとるようになります。
現在通例となっている年賀状はこの年始の挨拶が変化したものです。                       

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初 夢

新年最初に見る夢。古くは立春正月の概念から、初夢は節分の夜から立春の朝にかけて見る夢とされていました。今日では、一般には元日の夜から一月二日の明け方にかけてに見る夢を初夢と呼ぶのが通例となっている様です。 昔の人は今日よりも夢見を気にし、良い夢を見ようと七福神や宝物をのせた宝船の絵を枕の下に敷いて寝るならわしがありました。

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仕事始め

年が明けて初めてする仕事のことをいい、正月二日に行われる行事です。実際の仕事に先立って儀礼的に行われます。商店の初荷・初売り、農業の鍬入れ、漁業の船起こし、など。新年初めての掃除も掃き初めといって二日に行います。書初め、縫い初め、弾き初めもこの日が良いとされています。

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七 草

一月七日の朝に七種の菜の入った粥を食べる習わしのことをいいます。現在でも全国的に行われている七日正月の行事で、邪気を祓うとされています。古くは子(ね)の日の遊びともいわれ、平安時代には正月最初の子の日に野に出て若菜をつむ風習がありました。「延喜式」に見られる七種粥と、若菜摘みの古俗と、中国の人日の行事が合わさり、七草粥になったのであろうといわれています。

七草は正月料理のページに詳しい説明を掲載しています。

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人日の節供

五節供の一つで、旧暦正月七日の称、七日正月ともいわれています。
六日の夜を六日年越し、六日年取りといっている所が各地にありますが、かつては七日を重要な折り目と考えていました。中国の前漢の文人東方朔(とうほうさく:紀元前154頃〜192頃)の「占書」にみられる古い習俗が人日の由来とされています。

古来中国では、一日鶏、二日狗、三日羊、四日猪、五日牛、六日馬、七日人の日とするならわしがあり、人を尊重する日と定められていた様です。この日中国では、七種菜羹(ななしゅさいのかん:七種類の野菜のあつもの)を食し、無病を祈る風習がありました。(「荊楚歳事記」)またこの日を人勝節といって華勝を髪飾りにする風習があったともいわれています。(華勝とは色とりどりのきれいな髪飾りのこと)

日本でも人日は江戸初期に幕府公式行事となり、将軍以下諸公が七草粥を食する儀礼があるなど武家においては大変に重視された祝日の一つでした。

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鏡開き

正月に供えた鏡餅を食します。一月十一日に行うのが通例です。鏡餅は刃物で切ることを忌み、手や槌で割ります。鏡餅は「切る」とはいわず、縁起を担いで「開く」と呼ぶ習わしがあります。砕いた餅をおしるこなどにしていただきます。

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小正月

元日を中心にした大正月に対して、十五日を中心とした正月行事のことを小正月といいます。小正月には五穀豊穣を願う農耕の予祝的行事が多く見られます。 農業を営む人々にとって、太陽の運行と同時に月の満ち欠けも大切なもので、古くより予祝儀礼を年初の満月の日に行うことがなされていました。
繭玉、削り掛け、粟穂・稗穂、庭田植え、成木責め、年占、小豆粥、粥占、なまはげ、かまくら、鳥追い、左義長、どんど焼き…地域ごとに様々な特色がみられます。

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