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  四季の行事
正月をひもとく
 
正月の室礼(鏡餅・運盛りなどの実例)はこちら→室礼歳時記
正月とは
 

「正月」の由来
正月とは一年の一番初めの月のことをいいますが、一般には年初の諸行事のことをさします。一月を正月と呼ぶのは「正」が年の初め、年の改まる意味であることに由来します。また稲が実って一巡する期間をを「年」と言いました。(「稔(とし)」が豊穣を祈願する意味に通じることから)

古くは正月は盂蘭盆と対応するもので、半年ごとに祖霊を祀る大きな年中行事とされていました。正月に迎える年神は大きく分けて二つの性格をあわせ持っています。一つは豊作をもたらすの田の神の性格、もう一つは各家の祖先の霊―祖霊的性格です。

 

大正月と小正月
正月の行事は地域によって違いがあり、元旦を中心とした大正月と、一月十四日・十五日を中心とした小正月に集中しています。旧暦では正月(旧正月)を立春の頃としていたので、その始めを新月の朔日である大正月と満月の望の日の小正月とする二通りがあった訳です。大正月には年神や祖霊を迎える性格の行事が多く、小正月には五穀豊穣を願う農耕の予祝的行事が多く見られます。

農業を営む人々にとって、太陽の運行と同時に月の満ち欠けも大切なもので、古くより予祝儀礼を年初の満月の日に行うことがなされていました。新暦(太陽暦)採用後は満月と小正月の十四日・十五日が一致しなくなった為に、農家では小正月の意味がだんだんと薄れていってしまった様です。現在一般に正月といえば大正月のことをさしますが、小正月を祝う風習が今でも盛んに行われているところも多く残っています。

 

正月の準備
正月の準備は十二月から始まります。煤払いや門松迎え、餅搗き、年神棚を設えたり、おせち料理の下ごしらえをするなど様々な準備をして年越しの夜を迎えます。これが大晦日です。古くは日が暮れるのが一日の終わりと考えられていたので、正月の年神祭りは大晦日の夕刻から始まるとされていました。

身体を洗い清め、年神への供物をし、家族揃ってお節料理を食し、寝ることを忌しんで年神を迎え神人交歓する。早朝には年男が汲んだ若水で洗顔したり、またお茶を入れ、雑煮を作って飲食し新たな年を祝う。年神に供えた餅の一部を年長者から家族に分配する。これが年玉であり、神の霊がこもっているという。

そして皆そろって一つ年を重ねるとされました。古くはこうして囲炉裏を囲んで家族揃ってお正月を迎えたのです。

 

お正月は何日まで?
現在では三日、七日までが一般的な様ですが、地域によっては二十日正月といって二十日までとするところもあります。

 


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