|
立春
|
|
この日の前夜を年越しと考える風習がある。このため正月節、歳首節などともいう。
旧暦の上(節切り)では、この日が一年の始めとされた。「春立つ」「春来る」などとともに、春の代表的な季語になっている。日足が伸び、この頃から気温は上昇に向かい、木々もしだいに芽吹き始める。春の気配をどことなく感じる時節である。
この日の早朝、禅寺では入り口に、立春大吉と書いた紙札をはる風がある。 また、立春は雑節の基準日で、八十八夜・土用・二百十日などを起算するもとになる。
|
初春
正月節 |
|
雨水
|
|
雨水とは「雪散じて水と為る也」(「暦林問答集」)とあるように、今まで降った雪や氷が解けて水となり、雪が雨に変わって降るという意味である。
この頃、雨水ぬるみ、草木の発芽を促し、萌芽のきざしが見えてくる。昔より、農耕の準備などは、この雨水を目安として始めるとされてきた。 |
初春
正月中 |
|
啓蟄 |
|
この頃になると、冬の間、土の中で冬ごもりしていた、いろいろな虫が穴を
啓いて地上へ這い出してくるというところから 啓蟄と呼ばれる。またこの頃は、春雷がひときわ大きくなりやすい時期でもある。
そこで昔の人は、冬ごもりの虫が雷の音に驚いて這い出してくるのだろうと考え、「虫出しの雷」と名付けたりもした。まだまだ、寒い時節ではあるが、日足も目に見えるように長くなり、日の光の中に春を強く感じるようになる。ちなみに、「蟄」は「ちゅう」の慣用読みで、虫などが土中にかくれている意である。 |
仲春
二月節 |
|
春分 |
|
この日、太陽は真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ等しくなる(しかし実際には、光の屈折現象のため、昼のほうがやや長い)。この日以降は昼がだんだん長くなり、反対に夜が短くなる。
一般では、この日を春の彼岸の中日といい、国民の祝日の一つである「春分の日」(もと春季皇霊祭)になっている。
なお、春分点は、天球上で黄道と赤道が交わる二つの交点の内、太陽が赤道の南から北へ向かって横切る点のことで、赤経・黄経の原点となる。歳差により、毎年わずかずつ西に移動し、現在はうお座にある。 |
仲春
二月中 |
|
清明 |
|
清明は「清浄明潔」を略したもので、「万物ここに至って皆潔斎なり」と称されるように、春先の清らかで生き生きした様子をいったものである。この頃になると、春気玲瓏にして、桜や草木の花が咲き始め、万物に晴朗の気があふれてくる。この日、沖縄地方では、墓参の行事(清明祭<ウシーミー>)が行われる。中国から伝わった行事であるが、沖縄の習俗として定着している。墓前で、その一族縁者が集まり、お酒やお茶、お重の料理を供え、そのお下がりといただくのがしきたりとなっている。 |
晩春
三月節 |
|
穀雨 |
|
穀雨とは、百穀を潤す春雨をいう。この頃は、春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けるので、種まきの好期をもたらす。雨が長引けば菜種梅雨となる。
春の季節の最後の二十四節気である。 |
晩春
三月中 |
▲
top |
二十四節気メインページへ戻る |
|
立夏 |
|
ゴールデンウィークの終わりにあたる頃である。春ようやくあせて、山野に新緑が目立ち始め、風もさわやかになって、いよいよ夏の気配が感じられてくる。蛙が鳴き始め、みみずが這い出て、竹の子が生えてくる。だが暦や歳時記の上では立夏といっても、気象的にはいまだ春といった感が強い。「夏立つ」「夏来る」などとともに夏の代表的な季語になっている。 |
初夏
四月節 |
|
小満 |
|
万物しだいに長じて天地に満ち始めるという意味から小満といわれる。麦の穂が生長し、山野の植物は花を散らして実を結び、田に苗を植える準備などを始め、蚕が眠りからさめて桑を食べ始め、紅花が咲き誇る季節である。気象的には、この頃から梅雨となる年が多い。 |
初夏
四月中 |
|
芒種 |
|
芒種は梅雨入りの前で、昔の田植えの開始期にあたる。雨が間断なく降り続き、農家は田植えの準備などに多忙を極める。芒種とは、稲や麦など芒(のぎ)のある穀物、すなわち稲を植え付ける季節を意味している。かまきりや蛍が現れ始め、梅の実が黄ばみはじめる頃でもある。 |
仲夏
五月節 |
|
夏至 |
|
夏至は夏季の真中にあたり、梅雨の真っ盛りで、しとしとと長雨が続く。農家は田植え繁忙を極める季節である。しょうぶが咲き始め、半夏(からすびしゃく)が生えてくる。
古くは「げじ」ともいった。 なお、夏至線は北回帰線ともいい、北緯23度27分を走る線。
北上してきた太陽は、夏至の日にこの線の真上を通過し、以降再び南下する。 |
仲夏
五月中 |
|
小暑 |
|
この日から暑気に入り、暑中見舞いも出されるようになる。夏至を境にして、日足は徐々につまってくるが、実際には実感されないようだ。小暑の前後に梅雨が明け、夏の太陽が照りつけて、暑さは日増しに加わってくる。梅雨明け前の、いわゆる集中豪雨に見舞われることも多いので注意を要する。この時節、蓮が咲き始め、鷹の子が巣立ちの準備をはじめる。 |
晩夏
六月節 |
|
大暑 |
|
夏の季節の最後の二十四節気である。「だいしょ」とも。
梅雨明けのこの頃はますます暑くなり、一年中で最も気温の高い、酷暑の季節である。桐のつぼみがつき始め、油蝉がうるさく鳴き、さるすべりの真紅の花が印象的である。大地が潤って蒸し暑くなり、ときどき大雨が降る。夏の土用はこの季節にはいる。 |
晩夏
六月中 |
▲
top |
二十四節気メインページへ戻る |
|
立秋 |
|
この日から旧暦の上では秋に入るが、実際には残暑が厳しく、立春を起点として上り坂にあった平均気温は、立秋の頃、高温のピークに達する。しかし、風のそよぎ、雲の色や形に、何とはなしに秋の気配が感じられる。ひぐらしが鳴き始め、所により深い霧が発生する。「秋立つ」「秋来る」などとともに、秋の代表的な季語になっている。暑中見舞いも、この日以降からは残暑見舞いとなる。 |
初秋
七月節 |
|
処暑 |
|
暑さが止むの意味から処暑という。涼風が吹きわたる初秋の頃で、暑さもようやくおさまり、綿の花が開き、穀物が実り始め、収穫の候も目前となる。昔から、この頃は二百十日と並び台風襲来の特異日とされており、暴風雨に見舞われることが少なくない。 |
初秋
七月中 |
|
白露 |
|
白露は「しらつゆ」の意で、この頃、秋気も本格的に加わり、野草に宿るしらつゆが、秋の趣をひとしお感じさせる。せきれいが鳴き始め、つばめが去っていく。 |
仲秋
八月節 |
|
秋分 |
|
この日は、秋の彼岸の中日で、国民の祝日の一つ「秋分の日」となっている。
先祖を敬い、亡くなった人の御霊を偲ぶ日として親しまれている。 また、この日は春分と同じく、昼と夜の長さがほぼ等しい。しかし、秋分の日と春分の日の気温を比較してみると、平均気温で秋分の方が10度以上も高くなっている。夏の暑さの名残があるからである。雷が鳴らなくなり、虫は地中に隠れ、水が涸れ始める。また、台風のシーズンでもある。 |
仲秋
八月中 |
|
寒露 |
|
寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことをさし、秋の深まりを思わせる。
この頃になると、五穀の収穫もたけなわで、農家では再び、ことのほか繁忙を極める。
山野には晩秋の色彩が色濃く、はぜの木の紅葉が美しい。朝晩は肌にそぞろ寒気を感じ始めるゆになる。雁などの冬鳥が渡って来、菊が咲き始め、こおろぎが鳴きやむ。 |
晩秋
九月節 |
|
霜降 |
|
秋も末で、霜が降りる頃という意味から霜降という。この頃になると、秋のもの寂しい風趣がかもされてきて、早朝など所によっては霜を見るようになり、冬の到来が感じられてくる。小雨がときどき降り、
楓や蔦が紅葉し始める。 秋の季節の最後の二十四節気である。「しもふり」とも。 |
晩秋
九月中 |
▲
top |
二十四節気メインページへ戻る |
|
立冬 |
|
これから冬に入る初めの節で、この頃は陽の光もいちだんと弱く、日足も目立って短くなり、北国からは山の初冠雪の便りも届くなど、冬の気配がうかがえるようになる。冬の季節風第一号が吹き始めるのもこの頃である。時雨の季節でもあり、山茶花が可憐に咲き始める。また続いて南国では椿・水仙なども咲き始める。寒冷地では大地が凍り始める。「冬立つ」「冬来る」などとともに、冬の代表的な季語になっている。 |
初冬
十月節 |
|
小雪 |
|
小雪とは、寒さもまだ厳しくなく、雪まだ大ならずの意味である。市街には、まだ本格的な降雪はないものの、遠い山嶺の頂きには白銀の雪が眺められ、冬の到来を目前に感じさせる。北風が木の葉を吹き飛ばし、みかんが黄ばみ始める。 |
初冬
十月中 |
|
大雪 |
|
もう山の峰は積雪に覆われているので、大雪という。平地も北風が吹きすさんで、いよいよ冬将軍の到来が感じられる。この時節、時として日本海側では大雪になることもある。ぶりやはたはたの漁が盛んになる。熊が冬眠に入り、南天の実が赤く色づく。 |
仲冬
十一月節 |
|
冬至 |
|
この頃から次第に寒さも厳しくなる。年末頃に日本列島を通過する低気圧を、特に年末低気圧と呼び、これを境にして本格的な冬将軍の訪れになることが多い。鹿の角がとれ、雪の下から麦が伸びてくる。昔からこの日を祝う風があり、特にその日が旧暦十一月一日にあたると「朔旦冬至」といって瑞祥され、宮中で祝宴が行われた。またこの日、民間でも小豆粥やかぼちゃを食べ、冷酒を飲み、ゆず湯に入る風習がある。 |
仲冬
十一月中 |
|
小寒 |
|
この日をもって「寒の入り」とし、寒中見舞いが出されたりする。この日から節分までが「寒の内」で、約30日間、厳しい寒さが続く。
小寒とは、寒気がまだ最大までいかないという意味であるが、実際にはすでに本格的な冬の季節であり、寒風と降雪に悩まされる。「小寒の氷、大寒に解く」という故事があるとおり、実際は小寒の頃の方が寒さが厳しいことが多い。芹の苗が出盛り、雉が鳴き始め、泉の水が心もち温かみを含んでくる。
小寒から四日目を、特に、「寒四郎」、九日目を「寒九」と呼んでいた。寒四郎は、麦作の厄日とされており、この日の天候によって、その後の天気や収穫に重大な影響があると信じられていた。また、寒九は「寒九の雨」といって、この日に降る雨は、農家にとって豊作の兆しであると信じられ喜ばれた。 |
晩冬
十二月節 |
|
大寒 |
|
ますます極寒の辛苦にさいなまれ、寒さの絶頂期である。一年で最も寒い季節で、各地で一年の最低気温が記録される。寒の入り(小寒)から数えて十六日目にあたり、いろいろな寒稽古も行われる。沢は凍りついているが蕗の花が咲き始め、鶏が卵をかえし始め、春はもうすぐ間近に迫っている。南国からは、柳の芽吹きの便りが届けられる。 |
晩冬
十二月中
2005/1/20 |
▲
top |
二十四節気メインページへ戻る |