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年の市


師走も半ばを過ぎると年の市が立ち始め、年の暮の感が強まってきます。新年を迎える為の様々な仕度に取りかかるのもこの頃からです。現代の、特に都市生活の中では季節や節日の感が薄れつつありますが、節目節目は大切に迎えたいものです。

師走の風物詩の一つ、「年の市」は正月の準備に必要な食材やお飾り、縁起物などを売る市のことで各地にみられます。歳の市、暮市、節季市とも呼ばれ、多くの人で賑わいます。年の瀬も押し迫る頃には「飾売(かざりうり)」といって町中で仮屋を建て、正月用のお飾りを商う風景もよく目にします。

多くの年の市は地域名で知られていますが、扱う品物の名で呼ばれる市もあります。東京の浅草寺の「羽子板市」がその一つで、古くから押絵羽子板と正月用品を商う年の市でしたが、第二時世界大戦後に羽子板を商う店が多くなり「羽子板市」の名で知られるようになったと言われています。
また面白いところでは浅草寺の裏手に「ガサ市」と呼ばれる市が立ちます。浅草では注連飾りを商う人々が年の市をさしてこう呼ぶのですが、注連飾りがガサつくことに由来していると言われています。

 



 

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